ゴミ屋敷から発掘された骨董品を、少しでも高く売るためには、いくつかの基礎知識を持っておくことが不可欠です。まず大前提として、「掃除をしない」ということが挙げられます。これは意外に思われるかもしれませんが、骨董品の世界では、古いからこその「パティナ(経年による古美)」が評価されることが多いため、素人が安易に化学雑巾や磨き粉で磨いてしまうと、表面の保護膜や重要なディテールを損ない、価値を大幅に下げてしまいます。埃を被ったまま、汚れたままの状態で専門家に見せるのが、最も高く売れる秘訣です。次に、付属品を揃えることです。骨董品本体よりも、それが収められていた「桐箱」や、包んでいた「風呂敷」、あるいは当時の「鑑定書」や「領収書」のほうが価値を持つことさえあります。ゴミ屋敷ではこれらがバラバラになって散らばっていることが多いため、可能な限りそれらを結びつける努力をしましょう。第三に、売却先を使い分けることです。一箇所のリサイクルショップで全てを売るのではなく、陶磁器、古書、着物など、それぞれの専門分野を持つ骨董商に査定を依頼するのが理想的です。特に、最近は海外のコレクターの間で日本の骨董品人気が高まっているため、海外市場に販路を持つ業者を選ぶと、国内相場を上回る価格がつくこともあります。第四に、複数の業者から相見積もりを取ることです。骨董品の鑑定額は、鑑定士の知識や、その業者が抱えている顧客のニーズによって大きく左右されます。一つの業者に決める前に、少なくとも二、三社に写真査定や出張査定を依頼し、最も納得のいく説明と価格を提示してくれるところを選びましょう。また、ゴミ屋敷という状況を逆手に取り、「清掃とセットで査定する」ことで、全体の作業コストを抑える交渉も有効です。一点一点を丁寧に扱い、然るべき価値で市場へ送り出す。そのプロセスこそが、ゴミ屋敷という負の遺産を、正の資産へと変換する鍵となるのです。