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遺品整理のゴミ屋敷で見つけた驚きの骨董品
遺品整理士として活動する中で、私は何度も「ゴミ屋敷という名の宝島」を経験してきました。ある事例では、都内の一等地に建つ古い洋館の整理を依頼されました。そこには一人暮らしの高齢女性が亡くなるまで住んでいましたが、室内は腰の高さまで物が溢れる完全なゴミ屋敷でした。依頼主である甥の方は「価値のあるものなんて何もないから、全部処分してくれ」と投げやりな様子でしたが、私は自分の直感を信じ、一点一点を慎重に確認していきました。作業二日目、寝室のクローゼットに積み上がった古い衣類の下から、一辺が五十センチほどもある頑丈な鉄の金庫が出てきました。鍵はなく、専門の業者に開けてもらったところ、中からは眩いばかりの光を放つエメラルドのネックレスと、大正時代の皇室関係者から贈られたと思われる銀製のボンボニエールが現れました。さらに、書斎のゴミの山を切り崩していくと、古い木箱の中から、世界的にも有名な浮世絵師の真筆と思われる肉筆画が発見されました。これらを含め、室内の骨董品や宝飾品の鑑定総額は、なんと三千万円を超えました。甥の方はその数字を聞いて、言葉を失い、震える手でその品々を受け取っていました。このように、ゴミ屋敷の主は、自分でも制御できないほどの物量に囲まれながら、心のどこかで「本当に価値のあるものだけは死守したい」という本能を働かせ、特定の場所にそれらを隠し持っていることがあります。また、別の現場では、カビの生えた大量の古本の中から、初版の夏目漱石の全集や、署名入りの文豪の書簡が見つかったこともあります。これらは文学的にも歴史的にも極めて貴重な資料です。遺品整理のゴミ屋敷は、故人の人生の最後の戦場でもあります。私たちは、ゴミという名の「忘却の雲」を丁寧に取り除き、そこに残された「驚きの骨董品」という名の光を、再びこの世に呼び戻すのが仕事です。故人が最後に何を伝えたかったのか、何を愛していたのか。それを証明する骨董品が見つかった時、ゴミ屋敷は初めて「かつての美しい家」としての物語を完結させることができるのです。