ゴミ屋敷をいざ片付けようと思い立ったとき、ほとんどの人は「いかに安く、いかに早く全てを撤去するか」ということばかりに意識が向いてしまいます。しかし、私は声を大にして言いたいのですが、大型のゴミ収集車を呼ぶ前に、必ず「骨董品の専門鑑定」を受けるべきです。その理由は、大きく分けて三つあります。第一に、金銭的なメリットが非常に大きいからです。ゴミ屋敷の清掃費用は、部屋の数やゴミの量によりますが、ワンルームでも数万円、一軒家なら数百万円かかることもあります。もし、ゴミの中に価値ある骨董品が数点でも混ざっていれば、その買取金額で清掃費用を相殺したり、場合によってはプラスの利益を得たりすることができます。第二に、歴史的・文化的な遺産を保護するためです。ゴミ屋敷に住む人は、かつての文化人やコレクターであったり、歴史ある家の家主であったりすることが多く、そこには教科書に載るような価値のある資料や、二度と手に入らない伝統工芸品が隠れていることがあります。それを知らずにシュレッダーにかけてしまうことは、社会全体にとっても大きな損失です。第三に、精神的な整理をつけるためです。単に「ゴミを捨てた」という記憶だけが残るよりも、「大切な品を然るべき価値で引き継いだ」という意識を持つことで、罪悪感を軽減し、前向きな気持ちで新しい生活を始めることができます。鑑定を依頼する際は、ゴミを動かす必要はありません。鑑定士は、物が山積みの状態からでも、その独特の気配や外箱の様子から、お宝を嗅ぎ分けることができます。逆に、自分で片付けを始めてしまうと、価値がわからないまま箱から出して壊してしまったり、重要な付属品を捨ててしまったりするリスクがあります。特に、着物、武具、古銭、古いおもちゃなどは、素人目には汚れたガラクタに見えても、市場では非常に需要が高いアイテムです。「こんな汚い家に来てもらうのは申し訳ない」という遠慮は無用です。ゴミ屋敷という混沌の中にこそ、真の価値が眠っていることをプロは知っています。
ゴミ屋敷の整理前に骨董品鑑定を勧める訳