「断捨離」がゴミ屋敷からの脱却に有効な手段であると頭では理解していても、実際にそれを実行しようとすると、多くの当事者は強固な「抵抗」の壁に直面します。この抵抗は、単なる怠慢やだらしなさではなく、ゴミ屋敷の背景にある複雑な心理的要因が深く関係しています。最も大きな抵抗の一つは、「物を捨てることへの後悔や不安」です。「いつか使うかもしれない」「あの時捨てなければよかったと後悔するのではないか」という漠然とした不安が、物を手元に置き続ける強力な理由となります。特に、過去に一度後悔した経験がある人は、この心理がより強く働き、断捨離への一歩を踏み出せなくなります。次に、「物への愛着や思い出」が断捨離を阻む壁となります。ゴミ屋敷には、かつて大切だった物や、人からもらった思い出の品々が大量に蓄積されています。これらの品々は、単なる物理的な存在を超え、過去の自分や大切な人とのつながりを象徴しているように感じられるため、捨てる行為が、それらの記憶や関係性を断ち切ってしまうように思えてしまいます。断捨離は、これらの愛着と向き合い、手放すことを促しますが、その過程は当事者にとって非常に辛いものとなります。また、「決断疲れ」も大きな抵抗要因です。物が多ければ多いほど、一つ一つの物に対して「いる」「いらない」の判断を下すことは、想像以上に脳のエネルギーを消費します。この決断の回数が増えることで、やがて思考が停止し、何も決められなくなる「フリーズ」状態に陥ってしまいます。断捨離は、この決断を繰り返し求めますが、当事者の精神的な疲労は大きく、抵抗へと繋がります。さらに、うつ病やためこみ症といった精神疾患が背景にある場合は、病気の症状自体が断捨離への抵抗となります。意欲の低下、判断力の鈍化、物をため込むことへの強迫観念などが、断捨離を困難にさせます。これらの抵抗の壁は、ゴミ屋敷化を深める原因であり、断捨離を成功させるためには、これらの壁の存在を理解し、無理なく、そして継続的にアプローチすることが不可欠となるのです。
断捨離への抵抗ゴミ屋敷の壁