ゴミ屋敷を抱えたまま親が亡くなった場合、残された子供たちには「負の遺産」としての凄惨な遺品整理という過酷な現実が待ち受けています。親が生前に片付けを拒み続けた結果、相続人が直面するのは、数十年分のゴミが詰まった家をどう処理し、多額の清掃費用を誰が負担するのかという醜い親族間の争いになることも珍しくありません。ゴミ屋敷の相続でまず知っておくべきは、その凄惨な環境であっても不動産としての価値は残っており、適切な処理を行えば資産に変えられる可能性があるという希望です。清掃を専門業者に依頼する際、遺品整理も兼ねたプランを選べば、ゴミの山の中から権利証や通帳、あるいは価値のある骨董品などをプロの目で探し出してもらえます。また、ゴミ屋敷状態のままであっても、現状有姿で買い取る専門の不動産業者も存在します。彼らは清掃費用を差し引いた価格で買い取ってくれるため、手元に資金がない相続人にとっては非常に有効な選択肢となります。しかし、最も避けたいのは、ゴミ屋敷をそのまま放置し続け、「特定空き家」として行政から指定されることです。そうなれば固定資産税が跳ね上がり、倒壊や火災のリスクに対する管理責任を永久に負わされることになります。親が亡くなった直後の精神的に不安定な時期に、ゴミの山と向き合うのは極めて過酷な作業です。だからこそ、生前のうちに一箇所でも、せめて「重要書類の場所」だけでも共有しておくことが、残された家族への最後で最高の思いやりとなります。もし親がまだ健在であるなら、この「死後の苦労」を具体的に伝えることも、片付けの動機付けになるかもしれません。ゴミ屋敷の相続は、単なる物の整理ではなく、親がこの世に残した最期の足跡をどう清算し、次世代へ繋いでいくかという重い課題です。プロの知恵を借り、早期に決断を下すことで、ゴミに埋もれた実家を、新しい未来へと繋ぐ価値ある資産へと蘇らせることができるのです。